SEISA DOHTO UNIVERSITY

美術学部 デザイン学科

2024.07.02 フィレンツェ通信 7
美術学部 デザイン学科



フィレンツェ通信 
7

フィレンツェアカデミアに留学中の杉山花菜さんから第7信が届けられましたのでご紹介します。

こんにちは。
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月も下旬となりフィレンツェに滞在する期間も両手で数えられる程になってきました。イタリアはアフリカからの熱波、黄砂に見舞われ気温は38度、雨が降れば濡れたスケッチブックが砂入りの雨で黒く汚れるような日もあります。
日本はもう梅雨入りの時期でしょうか。こちらの乾燥した気候に慣れてきてしまっているので梅雨の日本に帰るのが少し恐ろしいところです。
フィレンツェ滞在期間に授業参加させていただいていたアカデミアの授業も、期末を迎え学生たちはテストの準備に奔走しているようです。私は担当教授から作成した作品の講評を貰って授業参加は終了となりました。
私が参加していた絵画の授業は隣り合った2部屋で開催され、片方は人物モデルのデッサンが出来るように毎回モデルを配置、もう片方は自主制作の為の自由スペースとして使用されていました。


私は散策で撮りためた写真をもとにスケッチや小作品を描いていたので、自由スペースの大きな机の一角を使用していました。机は利用者が多いので毎回始業時間と同時に自分の作業スペースを確保しなければならないのですが、写真を撮った始業時間の9時ぴったしの時点では生徒はほぼいません。教授も遅れてくることが日常です。始業ベルなどもありませんので、のんびりと集まり、いつの間にか授業が始まっています。


学生たちの作品は技術よりも自由な発想や個人の感性をいかに作品に落とし込むかを重視した傾向があり、よく言えば個性的、悪く言えば技量が伴わないが故の作品の軽さがありますが、学生たちは自身の作品について何を表現したいのかをハッキリと話します。自身の制作の方向性や表現方法の言語化がしっかりと出来ているかが授業の評価にも繋がっているようです。
さて、授業が無い日は出掛けることが多いです。


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月はフィレンツェで知り合った日本人の方にリボルノという海の綺麗な地域へドライブに連れて行っていただきスケッチをしたり、アレッツォで開催されるイタリア最大の骨董市をのぞきに行ったりしました。
基本は写真を撮って後でスケッチブックに描き起こすことが多いですが、時間がある時は現地でスケッチをしたりもします。そうすると必ずと言っていいほど通行人が手元を覗き込んで感想を言ってくれたりします。


「この空の青さはまさにイタリアの色だね!空が綺麗な国でしょ!」とスケッチを見ながら話しかけてくれた男性がいました。
私自身イタリアの空の青さに何度も感動していたので深く頷きました。


イタリアで素敵な景色に出会って描き残す度に日本に戻ったら自分が好きな日本の景色ももっとたくさん描いていきたいと思いますし、もっと色々な国へ行って見たことがない景色を見てみたいとも思います。
帰国してからのことを考えながらもあと少しの滞在期間、楽しんでいきたいです。